Earnshawの歴史

Thomas Earnshaw (1749-1829)
トーマス・アーンショーは海洋クロノメーター(天測航法の際、経度を計測するために必要な精密で正確な時計)の創設者である。
彼は近代海洋クロノメーターのスタンダードとして使われることになる「クロノメーター分離型脱進機」を開発し、
グリニッジ天文台等に採用されるなど旧式なクロノメーターを実用に耐えうるものにまで昇華させた。
  1. 2月4日、英国、ランカシャー州のアシュトンアンダーラインに生まれる。
  2. ロンドンのハイホルボーン911にて、時計職人ウィリアム・ヒューズの見習工となる。
  3. 後に海洋クロノメーターのスタンダードとして使われることになる「クロノメーター分離型脱進機」と「補正テンプの修正版」の開発に成功する。
    また彼の後見人でもある時計職人トーマス・ライトの援助を得てこれらの機器の特許を取得する。
  4. 彼の開発した「クロノメーター分離型脱進機」と「補正テンプの修正版」が時計職人たちの間に浸透していき、彼は大きな成功を収めていく。
  5. 英国王室直属の天文官(グリニッジ天文台長)、ネヴィル・マスケリンにその技術を認められ、グリニッジ天文台の時計の改修などを依頼されるようになる。
  6. 海軍卿ウイリアム・ブリフはProvidence号で西インド諸島に遠征するにあたって、アーンショーが開発したクロノメーター(No 1503)を採用する。
  7. アーン・ショーの師であるウィリアム・ヒューズが11月に亡くなり、ハイホルボーン911の工房を引き継ぐようになる。
  8. マシュー・フリンダースの船、Investigator号にアーンショーが開発した2機のクロノメーター(E520、E543)が搭載される。
    マシュー・フリンダースは史上もっともすぐれた航海者の一人とされており、このInvestigator号で初めてオーストラリア大陸を1周し、正確な地図を作製する。
    その際、クロノメーターE520は振動の影響を受けないよう木箱にきちんと納められ、船の細かな進路を補正する役目を果たす。
    フリンダースはクロノメーターが刻む正確な時刻と星の位置を照合することで海岸線を正確に航行することができた。
    彼は自身の著書 "A Voyage to Terra Australis" で アーンショーのクロノメーターを"this excellent timekeeper(この素晴らしき時計)”と讃えている。
  9. アーンショーはBoard of Longitude(緯度委員会)よりその技術を認めらて表彰され、多額の賞金を受け取る。
    彼の開発した「バイタル補正テンプ」と「円筒デテント脱進機」は、それ以降「海洋クロノメーター」として世界的に重宝されるようになっていく。
    アーンショーはクロノメーター開発の先駆者の一人として認めらるようになる。
  10. 仕事を息子のトーマスに引き継ぐ。トーマスは1854年までこの仕事に従事していく。
  11. 3月1日、ロンドンのベッドフォード街チェニス通りで永眠する。
  12. アーンショーが開発したクロノメーターno.506を積んだBeagle号が海岸線の再計測、再調査を目的として世界一周の旅にでる。
    船長は後に気象局の創設者にもなる海軍軍人のロバート・フィッツロイ。
    またこの航海には後に著書「種の起原」で「進化論」を説くことになるチャールズ・ダーウィンも乗船する。
    このクロノメーターはBBC放送が企画する「100の文化財でみる世界の歴史(A History of the world in 100 Objects)」の中で91番目に登録されている。
  13. ロンドン州会により、ロンドンのハイホルボーン911に記念碑がたてられる。トーマス・アーンショーの事業の功績を記念し、讃えるためのものである。
  • shop